セメント系二次製品の施工要項
セメント系二次製品
セメント系二次製品は、セメントと軽量骨材を主成分とした製品です。焼成タイルと比較し、吸水率が高く割れやすいため、使用箇所や雨仕舞いなどに注意が必要です。 また、ブリックスタイルタイルやスライスレンガも原料組成が一般タイルと異なり吸水率が高いため、セメント系二次製品の施工法に準じてください。 内外装タイル張り用有機系接着剤セラスタップを使用すると、割れ防止に効果があります。
適応範囲 | コンクリート コンクリートブロック |
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下地材 | モルタル | |
仕上げ材 | セメント系二次製品 | |
接着剤 | 種類 | セラスタップ |
コテ | 8mmクシ目以上 5mmクシ目(ブリック) |
設計施工上の注意事項
- セメント系二次製品は、張付け高さ3m 以下です。
- 色幅や寸法に大きなバラツキを持たせてあります。予め、サンプルで色調を確認してください。切断幅を加味し割付けてください。
- 色調、大きさ、テクスチャが隣接しないよう、仮置きし意匠確認を行ってください。
- 本製品を笠木として使用しないでください。使用箇所の凍害だけでなく、壁面へ水廻りして白華・剥離の原因となります。鋼板製等の笠木材を使用ください。
- 本製品は塗り目地ができません。目地袋充填とし、表面に付着した汚れは、直ちに拭き取り清掃ください。吸水防止のため、目地幅を設定する場合は、目地詰めを行ってください。
- 本製品は酸洗いできません。水湿しをしたスポンジや軟質ブラシで清掃ください。
- ICR などの大きな材料は、張付け前にダレの確認を行ってください。特に夏季は接着剤が軟化しているため、ダレ防止処置を行ってください。
- 吸水率が高いため、雨仕舞いの程度や使用部位により、雨天後に変色する場合があります。
- 外構で使用する場合は、地面と接触しないよう、適切な張り始めとし、適宜水切り処置してください。
- 保管は養生を行い、水濡れしないよう注意ください。
屋内壁 適応下地ボード目安
建材の厚み | 下地ボード |
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15mm以下 | せっこうボード 9.5mm厚以上 けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上 合板 1類以上 9.5mm厚以上 デラクリートセメントボード |
15mmを超える | けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上 合板 1類以上 9.5mm厚以上 デラクリートセメントボード |
■ 屋内壁 全面接着張り
タイル・レンガ・石材用の弾性接着剤を使用した場合です。適用下地に、内外装タイル張り用弾性接着剤で適用石材パネルを張付けます。下地メーカーの施工マニュアルをご確認の上、適切な納まりおよび防水・防火処置を実施してください。また、詳細についてはJASS26 内装工事 JASS11 木工工事を参照し、必要に応じて下地補強を実施してください。
※屋外壁の推奨下地は専門業者の方にお尋ねください。
適応建物 | 構造 | 木造軸組工法 木造枠組工法 |
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下地組 | 種類 | 柱・間柱・スタッド |
間隔 | 455mm以下 | |
下地材 | 石膏ボードなど | |
仕上げ材 | 適応タイル | |
接着剤 | 種類 | セラスタップ |
コテ | 5mmクシ目 3mmクシ目 |
内装壁・改良圧着張り
圧着張りの張付けモルタルがオープンタイムの影響を受けやすく接着不良につながる点を改良した工法です。 張付けモルタルを下地面に塗り、さらにタイル裏面全体にも張付けモルタルを塗付けながら壁面に押し付けて張ります。 下地側に張付けモルタルを塗った直後にタイル張りをすると、タイルにズレが生じる場合がありますので、ある程度締まった後にタイルを張付けることが重要です。 タイルの裏面に張付けモルタルを塗付け、タイルを直ちに張付ける作業手順とします。
下地について
下地モルタル作製は、コンクリート打設後、養生4 週間以上を目安としてください。コンクリートとモルタルの収縮率変化で、剥離の危険性が大きくなります。 同様に、下地モルタル作成後も、タイル張りまでは養生4 週間以上を目安としてください。 品質基準に適合した吸水調整材を塗布し、セメント系下地調整厚塗材2種( CM-2) で不陸および下地の調整を実施してください。押出成型セメント板は、リブ付き 専用パネルを使用しパネル素地面への直張りとしてください。ALCパネルへの張付けは、30 ㎏ / ㎡(張付けモルタルを含む総重量)以下を目安としてください。